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2012年を先読み

はじめに

 このページは西暦2011年・平成23年の暮れに書いている。この年は様々な重大事が起きたことを誰も否定できない。 3月に東日本大震災が起きて2万人弱の死者や行方不明者が出た。福島第一原発の災害は今も続いている。9月、台風12号による豪雨災害では大きな被害が生じた。 海外では、5月に国際テロ組織アルカイダの首謀者ビン・ラディンが米軍に殺された。 2010年10月、チュニジアに端を発したアラブの春のうねりの中で、エジプト、リビア、イエメン、そして、シリアに飛び火して、ムバラクが権力の座から引きずり降ろされ、カダフィが死んだ。アサドも危ない。中東諸国は今、混乱の渦中にある。 12月、北朝鮮の独裁者、金正日が死んだ。 経済に目を転じれば、ギリシャの経済危機から始まったユーロ圏の混乱は2011年に拡大して、スペインやイタリア、そしてフランスへと波及しつつある。 これらの災害や事件から人々は来年(2012年)、世界はどうなるのだろうという思いでいっぱいだろう。後年、人々は2011年・平成23年を世界の混乱と再編の序章であったと記録するかもしれない。
 そこで、2012年・平成24年の大胆な予測を行った。もとよりこの予測が現実になるかどうかは起きてみなければわからない。筆者は歴史家でもなければ、政治や経済の専門家でもない。もちろん予言者でもない。 だから、1年後の2012年の暮れにこのページをチェックして、ことの成否を確認したいと思う。興が乗れば、更に次の年を俯瞰する余裕があるかもしれぬ。

−日本−

 遅れに遅れていた東日本大震災からの復旧・復興の足取りは、漸くスタートが切られる。 しかし、マニフェストのことごとくを反古にした民主党政権が国民の支持を得られるはずもなく、総選挙に突入して民主党は大敗を喫するだろう。その衝撃に民主党は分裂するかもしれない。 しかし、新しい連立政権は脆弱の上に成立して、日本の弱体化をとどめるるすべを持たない。 明治以来の官僚支配構造は破綻しつつあるが、政治主導もなされずに日本政治は漂流し、更に数年は地盤沈下を止めることは出来ないだろう。その一方で、その先に地方分権の光が射すのがほの見える。 問題は、北朝鮮や中国という周辺諸国からの混乱と荒波をうまくしのげるかであり、それは新しい政治指導者が出現するかどうかにかかっている。 しかし、ここ数年活発化している自然災害は容赦なくまたやってくる。2012年は平穏だろうが、10年以内に東海・東南海・南海の三連動地震が起きる確率は大きいとされている。 風水害や寒波、干ばつなど自然からのしっぺ返しは容赦がないことだろう。

−極東・東アジア−

 当初は平穏を装っているかに見える北朝鮮の独裁政権は長くは持たない。2012年中には内部で権力抗争が発生し、独裁政権は崩壊するだろう。 中国が思い描く軟着陸など夢と消え、難民が中国と韓国に押し寄せる。日本海を渡って日本にも漂着するだろう。朝鮮半島は統一されるが、今後10年は混乱が続く。 北朝鮮から大量の難民が流入した中国は、微妙なバランスを失って中央政府の統制のタガが外れる。それが顕在化するのに数年かかるかもしれないが、結末は分裂。 共産党政権は雲散霧消してチベットとウイグルは独立し、その他の地域も混乱の後に地域国家に分裂、連合国家を形成する。

−ロシア−

 プーチンの元で安定するかに見られたロシアだったが、急に暗雲が垂れ込め始めている。世界が流動化すればロシアにも影響が及ばないはずもなく、ロシア連邦の分裂解体が俎上にのぼる可能性さえある。 ソ連の消滅後、未熟な民主化と資本主義化の実験が失敗に終わり、国家主義の独裁との間で揺れ動く。ロシアの周辺に存在する他民族の独立意識は増長して、経済的な苦境が続くことによってロシア連邦は解体寸前にまで行き着く。 日本にとっては北方領土を取り戻す最後の機会となるだろうが、その時、そんな絶好のチャンスをものに出来る政治家が日本に存在しているだろうか。

−ヨーロッパ−

 ユーロ圏はまだ持ちこたえていることだろう。しかし危機的状況は続き、2,3年後にEUが存在している保証はどこにもない。 ギリシャなどの離脱から始まり、共通通貨ユーロは風前のともしびとなっている。おそらく、数年後にはEUは分裂し、2つか3つのグループの国家連合に分かれているのではなかろうか。西欧・東欧・北欧、そしてこれらに属さない各々孤立した周辺国家群というように。

−南北アメリカ−

 オバマ大統領の再選はどうなっているか。強力な対立候補も現れない状況の下で再選されているはずだ。 しかし、アメリカの退潮は時間がかかりながらも進んでいき復調することはない。 中南米のラテンアメリカに大きな変化は見られない。しかし、次代の世界のリーダーたるべく政治的・経済的な地位は上昇していく。

−中東−

 アラブの春は続く。シリアは決着がつくだろうか。まだついていないかもしれない。アラブの春の熱狂は時間がかかるのだ。しかし、行き着く先には何が待っているのか? 中東各国で西欧的な民主政権が誕生していくというのは楽観過ぎて現実的ではない。混乱が続き、その果てに新たな独裁政権が誕生するだけかもしれない。 そんな中で、イスラエルも無事に済むとは思えない。今のようなユダヤ主義で進む限り未来はない。うっかりすれば、アラブの春の混乱の中で衰亡する羽目になる。 イスラエルの生きる道は唯一つ、アラブとの協調にあるのだが、ユダヤの保守政権がそれを認識することはないだろう。 イランはどうか。いずれアラブの春の混乱に巻き込まれていくことだろう。

−アフリカ−

 北アフリカではイスラム圏が沸騰しているが、ブラックアフリカの政治・経済状況はそれほど変化はない。局地的で慢性的な飢餓や紛争が終わることはないし、緩慢な経済発展は続く。しかし、アフリカの時代の幕開けは近い。

−世界全体−

 20世紀は戦争の世紀といわれ、21世紀はなんとなくバラ色になりそうなイメージがあったが、現実にはそうなっていない。 21世紀に入っても戦争は続き、各地で紛争や飢餓や貧困がなくなることはなく、米国はアフガンやイラクで新たな戦争を始めた。 ソ連崩壊後、米国は唯一の超大国と言われながらその実は凋落に向かいつつある。米国の替わりに強大化しつつあると思われている中国だが、その中味は脆弱で統制もとれずに破裂寸前だ。 21世紀はスーパーパワーが解体しながら減退していく時代だと思われる。振り子のごとく強弱を繰り返しながら国家のパワーが縮小し、民衆のパワーはその反対に強くなる。 理想的には国連の力が増大して世界政府の実現に向けて進んでいくイメージがあるが、振り子が少し振れすぎれば、そこには大きな落とし穴が待っていることだろう。

(2011.12.27記)

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