いろは歌 14編

色は匂(にほ)へど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ 有為(うゐ)の奥山今日(けふ)越えて 浅き夢みじ酔(ゑ)ひもせず
(注)日本で一番有名な歌、十世紀後半成立

鳥啼く声す夢さませ 見よあけわたる東を 空色映えて沖へに 帆舟群れゐぬもやのうち
(注)坂本百次郎 作、明治36年(1903年)「万朝報」募集の1等

しろたびよごれ総理ゆく あとをきほ(競)へるカメラマン 不逞のおやぢ笑みもせず さえぬ煙輪(けむわ)に鼻つねゐ
(注)戦後、吉田茂首相の時の風刺歌(昭和27年)

天、地、星、空、山、川(かは)、峰、谷、雲、霧、室(むろ)、苔、人、犬、上(うへ)、末(すゑ)、硫黄(ゆわ)、猿、生(お)ふせよ、榎(え)の枝(ヤ行のえ)を、馴れ居(ゐ)て。
(注)平安時代初期成立

君臣(きみのまくら) 親子夫婦(いもせ)に兄弟(えと)群れぬ 井鑿(ゐほ)り田植へて末(すゑ)繁る 天地(あめつち)栄(さか)ゆ 世よ侘びそ 舟の櫓縄(ろはな)
(注)細井広沢 作「君臣歌(きみのまくらうた、くんしんか)」

雨降れば 井堰(ゐせき)を越ゆる 水(みつ)分けて 安く諸(もろひと) 下(お)り立ち植ゑし 群苗(むらなへ) その稲よ 真穂(まほ)に栄えぬ
(注)本居宣長 作「雨降歌(あめふれうた)」

天地(あめつち)分き 神さふる 日本(ひのもと)成りて 礼代(ゐやしろ)を 大御嘗齋場(おほへゆには) 占(うら)設(ま)けぬ これぞ絶えせぬ 末(すゑ)幾世(いくよ)
(注)谷川士清 作「天地歌(あめつちうた)」

春ごろ植ゑし 相生(あいおゐ)の 根松行く方(え) にほふなり 齢(よわひ)を末(すへ)や 重(かさ)ぬらむ 君も千歳(ちとせ)ぞ めでたけれ
(注)堀田六林 作

田居(たゐ)に出(い)で 菜摘む我をぞ 君召すと 漁(あさ)り追ひゆく 山城(やましろ)の うち酔(ゑ)へる子ら 藻葉乾(ほ)せよ え舟繋(か)けぬ
(注)「たゐに歌」(十世期末成立)

お江戸街唄 風そよろ 青柳(あおやき)けぶり ほんに澄む 三味(さみ)の音(ね)締めへ 燕(つはくら)も 恋(こひ)ゆゑ濡れて ゐるわいな
(注)西浦紫峰作「おえど歌」(1952年)

乙女花摘む 野辺見えて 我待ち居(ゐ)たる 夕風(ゆふかせ)よ 鴬(うくひす)来(き)けん 大空(おほそら)に 音色も優し 声(こゑ)ありぬ
(注)文芸春秋デラックス1974年12月号より

ひふみよいむなやこともち ろらねしきる ゆゐつわぬ そをたはくめかうおえに さりへて のます あせゑほれけん
(注)「ひふみ歌」先頭部分は「一二三四五六七八九十百千」

井堰稲植え 刈り収む 負う穂も揃い 土肥えぬ 稀に見る夢 安らけく あな楽しよと 我は経てん
(注)

細山川の 末を見よ 千船群居る 広瀬あり 夢起こたせで 業とけん いつにし消えぬ 名もうべく
(注)

他にもあったら教えて下さい。
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